# インパクトレポート 2022年度

# 事業概要

# 社会的インパクト目標

物語の力で、IT・セキュリティをもっと面白く――

当社は「ICTに関する専門知識×アニメ」の組み合わせにより、エンターテイメントを通じて「失敗の伝承」を行なうことにより、ICTの発展に寄与することを目指します。

# ビジョン

ICT分野の失敗の伝承が途切れることなく、リスクに適切に対処できる社会の実現と発展に寄与します。

# パーパス

現役ITエンジニアの一人として、持てる知識や経験を独占することなく広く共有することで、社会に貢献します。

# ミッション

ICTに関する失敗アニメとしてエンタメ化し、教訓を仮想体験できる形で若手世代に伝承します。

# オープンソース

  • オープンソースコミュニティーとの協働にあたり、すべての貢献に対して対価を支払えるような資金力の確保を目指します。
  • オープンソース方式により、企業同士のコラボレーションを促進し、専門知識の共有を目的としたアニメーション作品の新たな市場の創出を目指します。

# SGDs

  • 4: 質の高い教育をみんなに
  • 9: 産業と技術革新の基盤を作ろう

ICT分野の持続的な発展のためには、知識の共有は欠かせません。その中でも失敗の伝承は重要です。

当社の事業は、SDGsにおける「質の高い教育をみんなに」「産業と技術革新の基盤を作ろう」という開発目標にも繋がるものです。「アニメで教育」といえば子ども向けのものを想像されるかもしれません。しかし実際には、アニメは国内外問わず幅広い年齢層に浸透している作品形式です。そのため、大人向けの産業や技術をテーマとした内容にも適しています。再現ドラマのような生々しさを伴わず、失敗を抽象化し、失敗の仮想体験をエンターテイメント化できることがアニメの強みです。

# 指標

当社では、以下の仮定のもとに、想定する最大の経済効果を社会的インパクトの指標(KPI)とします。

  • 当社作品1万再生につき1人が、当該作品の視聴がきっかけとなり、ICTの発展に寄与する
  • ICT人材の生涯年収は200,000,000円で、現役期間は50年である

KPI(想定最大経済効果)= 200,000,000円 ÷ 50年 ×(視聴回数 ÷ 10,000回)

# 当期の主な事業活動

# 概要

  • 書籍: 1点(読者数 約200人)
  • 記事執筆: 4点 (読者数 不明)
  • アニメ配信: 2点 (視聴回数 約1万回以上※)

※公開情報の範囲のみ集計。

KPI(想定最大経済効果)= 200,000,000円 ÷ 50年 ×(10,200回以上 ÷ 10,000回)= 4,080,000円以上

# 当期の主なできごと

# 出版事業

2022年6月に書籍「ハックしないで監査役!! 小説こうしす!EEシリーズ 元社内SE祝園アカネ 監査役編 [1] (opens new window)」を刊行しました。この作品は、監査役という立場に着目し、もし元社内SEが監査役として、社内の情報セキュリティを向上するために何ができるかというテーマの小説です。第1巻では、「侵入テスト」「形骸化した社内規則」というテーマについて取扱いました。

流通ルートの事情により、大手出版社のような自動配本は行なえません。書店から注文していただく必要がある注文出荷制となっています。販売部数の向上のためには、書店へのPRが重要となります。しかし、「情報セキュリティ専門書」と「ライトノベル」という組み合わせの書籍の市場が確立されていないことから、「専門書コーナーでは内容が緩すぎる」「ラノベコーナーでは内容が硬すぎる」という状況に陥っており、充分な売上の確保に至っておりません。書籍事業ではリクープの道筋が見えない状況です。

このままでは、十分なインパクトを産むことができないまま、アニメ事業と出版事業で経営資源を奪い合う状況となることから、来期はアニメ事業に軸足を移し、アニメ事業の付随事業として少部数の書籍を販売する方針へと転換します。

# アニメ事業

2023年4月にアニメ「こうしす!EE (opens new window)」ラジオドラマ「こうしす!EEラジオドラマ「山形出張編」 (opens new window)」をdアニメストアにて配信開始しました。

これは、以前にオープンソースコンテンツとしてオープンソースコミュニティー「オープンプロセスアニメプロジェクト(OPAP-JP) (opens new window)」が制作したアニメ「こうしす! (opens new window)」を、当社にて一部リメイクし、「こうしす!EE」としてリブランドして展開するものです。

dアニメストアはアニメ専業の定額制動画配信サービスで、約5,300作品以上を取り扱う、国内最大級の定額制動画配信サービスです。(参考 (opens new window)

今後の制作資金の確保に向けて、大きな前進となります。

# 来期以降の経営目標

この事業を持続可能なものとするために、オープンソースへのすべての貢献に対し、給与、報酬、または謝礼を支払えるような資金の確保が急務となっています。

アニメの制作費は一般に1分あたり100万円~150万円といわれていますが、現状では、1分あたり約13~20万円という極めて低予算で作品を完成させています。しかしながら、このような予算規模で制作を継続しつづけることは困難であり、大きな犠牲を伴うことになります。

オープンソースプロジェクトの特性上、プロジェクトに無償で参加するか、有償で参加するか、そもそも参加しないかの選択は貢献者個人の判断です。しかし、少なくとも、すべての貢献に対して、希望する人にはいつでも正当な対価を支払える資金力を確保することが、オープンソースコミュニティーと協働する企業として、あるべき姿であると考えております。

そのため、当面の経営目標を以下のように定めました。

# 当面の経営目標

年間売上800万円(当期比約4倍)の達成

# 実施予定の施策

  • 作品時間の短縮(ショートアニメ化)
  • 協賛企業の募集にあたり企業メリットとなる内容の模索
  • 既存アセットを活用した企業向けの商品・サービスの開発
  • その他の資金調達方法の模索